転職成功者インタビュー

株式会社中部熱処理
岩橋利佳さん(仮名・品質管理) 36歳

急がば回れ。派遣時代の経験を活かして正社員に転職し、スキルアップ。

20代の頃から派遣社員として様々な職場で働いてきた岩橋さん。名古屋で勤めていた会社がなくなり、36歳で再び転職にチャレンジすることになった。今回希望していたのは、派遣時代に身に付けた品質保証の経験を活かせる、正社員の仕事。「仕事は好きでしたが、派遣時代はどんなにがんばっても評価してもらえず、業務も限られていました。だから正社員にこだわりたかった」と岩橋さんは振り返る。中部地方ではなかなか希望の求人に巡り合うことができず苦労したが、リージョナルキャリア岐阜の橋渡しで、現在の会社と出会った。現在は高難度の規格維持に取り組む品質管理部門の責任者として、幅広い業務に挑む日々。「予想以上に業務が幅広く、やったことのない仕事の連続ですが、できることが増え、スキルアップにつながっていると思う」と話す岩橋さんの転職体験談を紹介する。(※本記事の内容は、2022年1月取材時点の情報に基づき構成しています)

過去の
転職回数
2回
活動期間
エントリーから内定まで23日間

転職前

業種
マーケティングデータ収集事業
職種
事務
業務内容
データ調査および入力業務

転職後

業種
金属熱処理加工メーカー
職種
品質管理・事務統括業務
業務内容
ISO9001からJIS Q 9100へのステップアップ、及び航空業界の国際認証Nadcapの取得準備

正社員をあきらめずに検索を続けていたら、今の会社と巡り合った。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

中部熱処理は、関市にある金属加工の会社です。金属部品の熱処理加工や表面処理加工を得意としています。私はそんな会社の品質管理を担当。当社はJISQ9100を取得していますので、その規格を維持するために、事務局長として、人や資材、書類など、様々な管理に取り組んでいます。ちなみに、JISQ9100は、航空業界との取引にも適応できる大変厳しい規格なんです。

入社前のご経歴を教えてください。

出身は石川です。高校を卒業後、事務員やアパレル販売員などさまざまな仕事を経験。その後、28歳のときにハワイの大学に留学しました。卒業後は名古屋で、大手メーカーの品質保証部に3年間勤務し、Nadcap(国際特殊工程認証システム)監査時の外国人監査員の通訳や、監査関連資料の翻訳などを担当していました。その後、同じく名古屋の外資系マーケティング企業を経て、中部熱処理に入社しました。

転職のきっかけは?

大手メーカーで働いている時は、派遣だったんです。品質保証の仕事は英語が使えましたし、とても面白かったのですが、派遣として働ける期間が3年間に限られていたため、やむなく離れることになりました。当時の年齢は、もう30代中盤。将来のことを考えると、正社員の仕事が欲しくなりまして、名古屋の外資系企業に転職したのです。ところが1年半ほど働いていた時に会社自体がなくなってしまいまして。ですから、また正社員として働ける会社を探すことにしました。

転職活動はどのように進めましたか?

留学で身に付けた英語を活かせる仕事や、大手メーカーで経験した品質保証の仕事を希望していました。ハローワークにも行きましたし、いろんな転職支援会社にも登録しました。でも苦労しましたね。関東には条件を満たす企業がいくつかあったのですが、中部地方で正社員となると、英語を使う仕事がなかなかなくて…。派遣ならあったのですが、今回は正社員にこだわりたかったのであきらめたくなかったんです。それで、「Nadcap 求人」というキーワードでネット検索を続けていたら、今の会社にヒット。たどっていったら、「リージョナルキャリア岐阜」が担当していることがわかったので、紹介してもらったんです。転職活動を始めて、今の会社を紹介してもらうまで、半年くらいかかったと思います。

正社員にこだわった理由は?

やっぱり待遇と安定性ですね。派遣社員の時は昇給も賞与もありませんでした。人って、評価してもらえるから成長すると思うのですが、それがなかったんです。また派遣は、業務のしばりもあります。仕事の幅を広げながら、長く働きたいと思っていました。

今の会社に決めたポイントは?

正社員であることと、「Nadcap規格を取得するための準備」という仕事に魅力を感じたからです。英語を使えますし、前々職の経験も活かせると思いました。本当は以前から住んでいる名古屋で働きたかったのですが、今回は仕事内容優先で選びました。Nadcap規格は航空宇宙産業の特殊工程認証で、ほぼ全ての種類の仕事に携わっていたので、特殊工程の種類についてはこだわりはありませんでした。

初めての仕事にたくさんチャレンジ。自分の車も初めて持てた。

転職していかがですか?

予想以上に幅広い仕事を任されて、最初は戸惑いましたね。営業管理や、資材の調達など、やったことのない仕事にも取り組まないといけないので、自分で勉強しながらなんとかやっています。人間関係のほうは特に問題ありません。業種柄、男性が圧倒的に多い会社ですが、黙々と仕事をするタイプの人が多いですし、マイペースに働けています。

転職して良かったと思うことは?

自分のできることが増えたことですね。外注との調整や文書の作成など、この会社に入っていなければやることのなかった仕事をいろいろ経験でき、だいぶスキルアップできたと思います。

困っていることや課題はありますか?

任される業務の幅が予想以上に広く、やったことのない仕事が多く、1人で対応していくのは大変です。もともとはNadcap規格の準備がやりたくて入社したのですが、なかなかそこまで手が回らない状況ももどかしいです。

生活面の変化はありましたか?

名古屋から関に引っ越しました。私が住んでいるアパートは2Kの間取りですが、名古屋と比べると、家賃はだいぶ安いですね。通勤は車で15分ほど。前職は電車とバスで1時間くらいかかっていたのでかなり短くなりました。残業はほぼ毎日ありますが、遅くとも19時くらいまでには帰れます。ただ、今の会社は祝日休みがないので、休日は逆に減りましたね。いちばん大きな変化は、初めて自分の車を持ったことだと思います。維持費は大変ですが、とても便利です。ただ、コロナ禍ということもあり、あまりあちこち行けていないのが残念。関市の観光スポットなど、これから調べていきたいですね。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

転職活動が長期になると、体調も崩しやすくなります。私も転職活動が長引いていたときには、一時的に難聴になってしまいました。体は正直ですので、ストレスを溜めすぎないよう、体調には十分注意された方がいいと思います。また現在、派遣社員という方もいらっしゃると思います。私も以前は派遣の仕事しか見つからず、仕方なく派遣として働いていたわけですが、そこでの経験は無駄ではなかったと思っています。正社員になるために活かすことができるんです。急がば回れという気持ちで、現在の職場で様々な経験を積んでおくことをおすすめします。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
伊藤 秋則

岩橋さんは初回面談時に、前々職にてNadcap監査時の通訳・翻訳を一手に引き受けられていた当時のことを詳細にお話くださいました。その熱量は大変高く、通訳翻訳のみにとどまらず、品質管理に関わる知見を高めながら、業務に携わっていた貴重な経験を、惜しみなく発揮できるような職場環境を提供させていただきたいと強く思い、ご支援しました。転居を伴う転職はプライベートの過ごし方もがらりと変わるため、心配な部分もありましたが、岩橋さんの持ち前の明るさと、何事にも論理的に考え取り組む仕事への向き合い方をもってすれば早期にご活躍できると考え、お手伝いさせていただきました。これからも、培ったキャリアを惜しみなく発揮し、さらにスキルの幅を広げられるような転職のお手伝いをしていきたいと思います。

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