PECホールディングス株式会社
清水豊さん(仮名・人事) 33歳
ワークライフバランスを重視しつつ、人事のキャリアを深めたいという希望を実現。
東京の企業に就職し、最初に担当した人事の仕事に魅力を感じていた清水さん。結婚を機に岐阜・高山にUターン後は地元企業で別の業務に就いていたものの、人事の面白さが忘れられなかったという。また、子育てにもっと関与できる環境を得たいと再度の転職を試みる。
リージョナルキャリアのサイトを見つけて、コンサルタントに率直な思いを伝えると、希望にマッチするPECホールディングスを提案される。同社への転職を成功させ、人事としてのキャリアを順調に積んでいる清水さんに転職活動を振り返ってもらった。
※本記事の内容は、2025年1月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 2回
- 活動期間
- エントリーから内定まで90日間
転職前
- 業種
- 金融機関
- 職種
- 債権管理事務、営業企画
- 業務内容
- 債権書類の一括管理事務、書類の精査、営業推進企画の立案、各営業店の営業目標策定、進捗管理など
転職後
- 業種
- 自動車部品メーカー
- 職種
- 人事
- 業務内容
- 派遣スタッフの人事管理、教育研修など
地元転職に強いコンサルタントに出会い、光明が見えた。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
PECホールディングスは自動車専用ヒューズの開発・製造を行うメーカーである太平洋精工株式会社の持ち株会社です。私はその人事チームで、主に派遣スタッフの管理を担当しています。
具体的には、製造現場などから寄せられるスタッフ配属の要請に合わせ、複数の派遣会社に人材を依頼。対応可能な勤務時間や、技能や必要な資格を保有しているかなどを確認した上で受け入れの調整をします。
契約満了でスタッフが退社したら、再び人材を確保しなければなりません。現場から新たに「この資格を持った人材」「こういった経験のあるスタッフ」と声が上がることもあります。
派遣会社を通じて、1ヶ月で10人単位の派遣スタッフを受け入れています。また、その他の業務としては教育研修にも携わっています。
入社前のご経歴を教えてください。
東京の大学を卒業後、そのまま東京で高速道路の管理・保全を行う会社に就職。人事や営業管理、経理などを経験しましたが、最もやりがいを感じたのが人事でした。
労務管理を担当していた時、働き方改革のプロジェクトを推進したことがあり、突き詰めると面白い仕事だと感じました。
ただ、ワークライフバランスを重視したいという想いもあり、徐々に人の多い東京での暮らしが窮屈になってきました。そこで、30歳手前で結婚したのを機に岐阜の高山へUターンしようと決意します。
妻は九州出身でしたが、地元に行くことをむしろ後押ししてくれました。Uターン後は知人の紹介で地元の金融機関に就職し、営業企画の仕事に携わりました。
転職のきっかけは?
やはり一番大きかったのは、人事の仕事をやりたかったことです。人事のさまざまな仕事を経験し、キャリアを深めたいという意欲があったのですが、就職先の金融機関で人事への異動は難しそうでした。
妻にとっても、雪深い高山の暮らしは想像以上に大変だったようです。頑張ってくれていましたが、子どもも2人生まれ、苦労しているのがわかりました。私も育児に関わりたかったのですが、フレックスタイムなどがなく、できることがどうしても限られます。そこで環境を変えようと思いました。
転職活動はどのように進めましたか?
大手の転職サイトや人材紹介サイトに登録して情報を求めましたが、高山では人事の求人情報がほとんどありませんでした。当初はリモート勤務やフレックスタイムを採用している企業を希望していたのですが、こちらも条件にマッチする企業はなかなか見つかりません。
これでは埒が明かないので、地元転職に特化した会社はないかと調べ、リージョナルキャリア岐阜を見つけました。エントリーすると、すぐにコンサルタントの坂さんから連絡がありました。
「岐阜県内で人事として就職したい」「フレックスタイムなど柔軟な働き方に対する制度があってほしい」といった希望を丁寧に聞いてくれ、条件に合う企業を複数紹介してくれました。
企業情報を紹介してくれる際、その会社の良いところも懸念点も、第三者的な視点で説明してくれたのは助かりました。複数の人材紹介会社と連絡を取っていましたが、その頻度は坂さんが群を抜いていて、職務経歴書も「こう記載した方が伝わりやすい」といったアドバイスをいただくなど、心強かったです。
今の会社に決めたポイントは?
大垣の会社で、地元の高山からそれほど遠くなかったこと、フレックスタイムが導入されていたことなど、条件面はほぼクリアされていました。面接した社員の印象もとても良かったです。
また、会社のさまざまな情報を事前に坂さんから得ていたので、ここで自分がどのように働くのかイメージでき、迷いなく決断できました。
何のために転職するのか、を明確に伝える。
転職していかがですか?
PECホールディングスの人事チームは上司を含めて4人で全社の人事企画や採用、人財育成を行っているので、1人あたりの守備範囲が広く、それなりに忙しいと思います。それでもピリピリしたところは全くなく、わからないことを聞くと丁寧に答えてもらえるなど、とても居心地の良い雰囲気です。
人事の仕事は縁の下の力持ちというか、「できて当たり前」と見られることが多いと思います。でも当社では、些細なことでも「あれは良かった」と言ってもらえます。評価されると次も頑張ろうと思えますよね。そういった点にも満足しています。
転職して良かったと思うことは?
今の会社の規模感だと、社員同士の顔が見えやすく、意思疎通を図りやすいのが良いですね。中途社員も多く、過ごしやすい環境です。
今は派遣スタッフの人事管理を主業務にしていますが、慣れてきたら領域を広げたいと考えています。教育の部分も掘り下げていきたいし、採用にも関わりたいですね。
困っていることや課題はありますか?
製造業における人事のあり方について、もっと業界の勉強が必要だと感じています。前々職での人事は主に労務管理が中心で、自分で社労士の勉強をしていたこともあって、ある程度のベースは身についていると思います。
ですが、人事が関わる領域は広く、制度や教育に対する考え方も会社独自にカスタマイズされることが大半です。そういった状況で自社に合った人事業務を行おうと思えば、もっと知識をつけていかないといけません。
生活面の変化はありましたか?
今は大垣で賃貸マンションを借り、会社には車で通っています。10分もあれば出勤できるので全然苦ではありません。東京にいる時は満員電車が本当に苦痛だったので、かなり改善されました。
大垣だと必要なものは一通り揃っていて、子どもの習い事なども、いくつかある中から合いそうなものを選択できます。その点でも不満はありません。
また、高山までは車で2時間くらいなので、月に1回くらいは実家に顔を出しています。フレックスタイムを使って、子どものイベントがある日は遅く出勤するなど、ワークライフバランスもうまく取れるようになりました。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
転職しようと求人サイトに登録すると、さまざまな人材紹介会社からオファーが届きます。しかし、自分の考えをしっかりと持っていない転職は、きっと後悔します。
職務経歴書だけを見て、「こんな仕事があります」と紹介してくるコンサルタントはたくさんいます。紹介されるままに場当たり的に面接し、「決まってしまったから行く」という場合もあるでしょう。しかし、それでは「自分がどうしたいのか」という軸がありません。
まず、何のために転職するのかを明確にする。その上で、転職者の意思や価値観を重視し、親身に相談に乗ってくれるコンサルタントを見出す。そして信頼できるコンサルタントに出会えたら、後はお任せすればいいと思います。
相手は持っている情報の質や分析の視点が違うプロですから、必ずいい提案をしてくれるでしょう。