株式会社文溪堂
二宮直人さん(仮名・営業) 34歳
学校教育に貢献したい。そんな想いを実現できる道が、岐阜で見出せた。
二宮直人さんが大学を卒業後に就職したのは人材派遣会社。そこで営業として働き、顧客先の店舗でスタッフの営業活動支援を行ううちに、「確かな教育が人の成長を促す」という面白さに気づいたという。
教育業界で働きたいと考えた二宮さんは学習塾に転職し、子どもたちの教育に携わる。そして「学校教育に関わることができれば、子どもの成長にもっと貢献できるのではないか」と考えるようになり、2度目の転職を志す。
業界を絞り込んだため岐阜での転職活動は苦労したが、リージョナルキャリア岐阜の力を借りることで学習用教材を出版している文溪堂に巡り会えた。「自分一人では発見できなかったと思う」と語る二宮さんは今、同社の営業として存分に意欲と能力を発揮している。
※本記事の内容は、2023年11月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 2回
- 活動期間
- エントリーから内定まで95日間
転職前
- 業種
- 学習塾
- 職種
- 教室運営
- 業務内容
- 学習塾の教室運営、売上管理、講師マネジメント、顧客対応(新規客への営業、既存客のケアなど)
転職後
- 業種
- 学習図書出版・教育教材
- 職種
- 営業
- 業務内容
- 販売会社への営業活動全般 、販売会議の企画立案、進行・運営 、学校などへの教材やICTコンテンツのサポート活動など
子どもたちを「勉強嫌い」にさせないよう、サポートしたい。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
文溪堂は、全国の小学校で使われる学習用教材を出版している会社です。テストや漢字・計算ドリルといった図書教材の他、画材セットや書道セット、デジタル教材といった学習用ICTコンテンツなども扱っています。私はこれら教材の営業活動を行なっています。
当社の教材を取り扱っていただける販売代理店が全国各地域にあるので、その販売代理店に対して商品の案内と、時には教材を使用する学校現場にも訪問し、PRも行います。担当するエリアは、福島を除く東北5県の広いエリアを担当しています。
入社前のご経歴を教えてください。
大学を卒業後、愛知の人材派遣会社に営業として就職しました。その際、顧客の携帯ショップなどに代行営業で支援に行くことがありました。派遣した営業スタッフと共に店舗に出向き、営業の指導を行うのです。
手順を踏まえて教えていくと、最初は提案を苦手としていたスタッフも、だんだんできるようになります。そんなことを繰り返すうちに、「人を成長させる」教育に興味が湧いてきました。
大人になってからも人は成長するのだから、小学生や中高生のもっと早い段階により良い教育を受けると、その後の可能性の幅が広がるのではないか。そう考えた私は、全国チェーンの学習塾に転職。教室長として教室の運営全般を任されることになりました。
そこでは講師であるアルバイトの大学生への授業指導や、新規塾生の獲得、通塾生の成績UPに力を入れました。
転職のきっかけは?
塾で成績が上がったり、受験に合格して喜ぶ生徒を見ると、充実感を覚えました。しかしそうするうち、塾生の中に結構な割合でいる「勉強嫌いな子」が気になってきたのです。学校の成績が上がらず、勉強が嫌になって親に無理やり塾に連れてこられる子は珍しくありません。
そういった子たちも、しっかりと向き合い、できたことを褒め続けると徐々にやる気が出てきて、「やれば出来る」の成功体験を積むことで成績が向上します。やる気を出せば成績が上がるのに、なぜ勉強が嫌になったのか、と考えるようになったのです。
よく聞いてみると、初等教育、小学校3年生あたりから授業についていけなくなった、という子が多いとわかりました。能力があるのに、初等教育でつまずいてしまうのはもったいないことです。嫌になってしまった後では、再びやる気を取り戻すまで時間がかかります。
やがて、学校の段階で授業を楽しく受け、健やかに成績を伸ばすような手伝いはできないか、と考えるようになりました。そういった仕事をしようと思うと、塾では限界があったのです。
転職活動はどのように進めましたか?
大手転職サイトのいくつかに登録してみたのですが、自分のやりたいことに合った情報が集まりません。やりたいことをかなり絞り込んでいたため、ニッチ過ぎて情報が出てこなかったのかもしれません。
しばらく経った後、リージョナルキャリア岐阜から連絡をもらいました。自力で探すことの難しさを痛感していた私は、コンサルタントにお願いすることにしました。すると、地元に強い専門家らしく、いろいろ相談に乗ってくれました。
今の会社に決めたポイントは?
紹介をいただいた中の一社が文溪堂だったのですが、おそらく自力では見つけられなかったと思います。会社の事業内容や仕事内容を聞き、自分の求めていたものとぴったりマッチしていると感じました。
面接でも、「自分がなぜこういう仕事をやりたいのか」としっかり伝えられ、面接官も共感してくれました。そんな手応えがあったので、迷いなく決めることができました。
先を読んだ提案で、学校現場の負荷を軽減したい。
転職していかがですか?
自分のやりたいことに合致していて、すべてが好転したと感じています。理想とする到達点までにはなお遠いですが、着実に前進できています。
塾時代と違って、子どもに直接触れ合うわけではありません。ですが、授業運営に頭を悩ませている教師のみなさんを手助けすることで、「子どもたちの力になりたい」という想いは変わりません。
当社には営業だけでなく、編集や物流など、いろんな職種の人がいます。職種は異なりますが、「子どもたちに良い教育を提供したい」「教育を通じて子どもたちが生きる社会の未来に貢献したい」という想いは共通です。同じ想いを持った人々と働けることに、やりがいを感じています。
転職して良かったと思うことは?
学校教育は未だにアナログの作業も多く、テストの得点集計が手作業だったり、導入されたICTコンテンツに慣れていなかったりと、大変なことだらけです。そういった作業を効率化するコンテンツも当社のラインナップにはあります。
その価値を知っていただいた教師の方々からは「これは助かる」という声も頂戴しています。忙しい教師の業務を少しでも軽減できれば、教師はもっと子どもたちに向き合う時間が増え、教育の質が向上するでしょう。そこをサポートしている実感があります。
困っていることや課題はありますか?
教育に関するサポートを行うには、学校現場の抱える課題について、より広く情報を集めないといけません。各地域の教育委員会や自治体の方針が、現場に影響することもあります。そういった情報をもっと集めていきたいですね。
業界の情報だけでなく、地域の情報や教育行政に関する情報が集まると、課題がより明確になるでしょう。例えば、デジタル化という課題に直面する学校現場へ良い提案を行うには、「IT社会がどうなるか」ということも理解しておく必要があります。先を読んだ提案をするため、多彩な情報の収集が欠かせません。
生活面の変化はありましたか?
出張を通して全国様々な県に足を運んだので、プライベートでも旅行が趣味になりました。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
「自分が何をしたいか」を、一番大事に考えて行動した方が良いと思います。報酬や待遇など、いろんな条件が気になるかもしれません。けれど、何が大事なのかを忘れると、何のための転職かわからなくなってしまいます。
塾で生徒を指導していた時も、いつも「目標に向かってがんばろう」と教えていました。「この学校に入りたい」と言った時、学校や親からは「成績が足りない」と反対された生徒もいました。でも目標を持ち信じて頑張った生徒は、大体合格しています。目標に全力でぶつかっていけば、できないことはないと生徒たちが教えてくれたのです。
だから転職にあたっても目標を定め、全力で向かっていってください。そうすれば、必ずうまくいきます。