転職成功者インタビュー

太平洋精工株式会社
上田奨太さん(仮名・営業) 35歳

家業のため、そして子育てのため、岐阜へのUターンを決断。

大阪の商社で営業を担当していた上田さん。33歳で課長に昇進し、長く続いていた課の赤字解消に取り組み、3年をかけて黒字化に成功するなど結果を出していた。

そんな上田さんが転職を考え始めたきっかけの一つは「家業を継がなければ」と感じ始めたこと。そして何より、子どもを授かったことが大きかったという。

「転勤を繰り返す生活に子どもを付き合わせたくない。一つの場所に落ち着いて、のびのび育てたい」そう考えた上田さんは、実家のある岐阜へのUターン転職に向けた活動を開始した。

現在は太平洋精工株式会社にて自動車用ヒューズの営業に取り組み、家族との時間も増えてワークライフバランスが向上したと喜ぶ上田さんに転職活動を振り返ってもらった。

※本記事の内容は、2025年10月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
1回
活動期間
エントリーから内定まで190日間

転職前

業種
樹脂・化学品・電子材料の専門商社
職種
営業管理職
業務内容
国内外の企業に対する営業および管理職、本部内の新規プロジェクトの責任者など

転職後

業種
自動車部品メーカー
職種
営業
業務内容
国内外の自動車・自動車部品メーカーに対する新規案件の受注や社内外の連携調整など

限られた時間でベストの選択をするには、自分一人では限界がある。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

自動車用ヒューズの開発・製造を行う太平洋精工株式会社で法人営業を担当しています。お客さまは自動車メーカーや一次サプライヤーの自動車部品メーカーで、各社の国内外の拠点に向けた営業活動を行っています。

ヒューズは用途によってHV(高電圧)とLV(低電圧)に分かれ、私の所属チームが取り扱っているのはHVのヒューズです。

HVは既存製品をそのまま納入するのではなく、新規開発か、既存製品を新たなニーズに合うようカスタマイズする要望が多い製品です。

電気・電子部品を多数搭載する今の自動車ではヒューズの役割も大きくなっているので、自動車メーカーと一緒になって開発に取り組むケースも珍しくありません。

入社前のご経歴を教えてください。

滋賀県にある大学の理工系学部を卒業し、大阪に本社のある樹脂・化学品・電子材料商社に就職。産業機械や情報家電などに用いられる電子材料、樹脂や基板、コーティング材などの材料を扱う営業を担当しました。

30歳の頃、職場の同僚だった女性と結婚。その後、2021年に33歳で課長に昇進しました。

課長となってから、赤字が3年続いていた担当部署の黒字化という課題に着手。お客さまが何を欲しがっているのか情報を入手して、その商品の仕入先を調べたり、まだ世の中にない商品であればメーカーに対して既存商品のカスタマイズを掛け合ったりしました。

ほかにも、ある工場と取引がある場合は、関連する別の工場にも営業をかけて商品の横展開を図るなど手を尽くし、3年でどうにか黒字化を実現しました。

転職のきっかけは?

一つは、家業の事情です。父が年齢や体調の事情で、跡継ぎ問題が出てきました。父は「継がなくていい」と言ってくれるのですが、放っておくわけにもいきません。家業を継ぐとしても普段は一般の仕事をする兼業ですが、いずれにしても実家近くに戻らないといけません。

もう一つは、子どもを授かったことです。前職は転勤の可能性が高い職場でしたが、育児のことを考えると一つの場所に落ち着いた方がいいと考えました。それで妻と話し合い、Uターン転職に踏み出しました。

転職活動はどのように進めましたか?

大手の転職サイトや転職支援会社に登録し、岐阜県大垣市周辺の求人情報を収集すると求人はそれなりにありました。

しかし、大手転職支援会社のコンサルタントに会ったのですが、求人票に書いてある話をするばかりで、詳しいことがわかりません。

そこで、「岐阜県の転職事情に詳しいところはないか」と再度検索してリージョナルキャリア岐阜を発見。エントリーすると転職コンサルタントの坂さんから連絡がありました。

多少の年収ダウンは受け入れるとして、大垣周辺の会社で頻繁な国内転勤はないこと。法人営業が第一の希望職種ですが、「あまり型にはまらず、工夫の余地がある営業をやってみたい」といった条件を伝えると、坂さんは私の志向に合う会社を厳選してくれました。

さらに、「エントリーシートをどう作成すればよいのか」「転職活動を支えてくれている家族へどんな配慮が必要なのか」など、多岐にわたるアドバイスをもらえました。おかげで、安心して転職活動を進められました。

今の会社に決めたポイントは?

坂さんに厳選してもらった会社を検討し、2社の面接までこぎつけました。最終的に太平洋精工を選んだのは、実際にものづくりを行うメーカーだったからです。

前職は商社でしたが、メーカーだったらもう少し製品に深く関わっていける営業ができるのではないかと感じていました。業績なども見て優秀な会社だと感じたので、入社を決断しました。

メーカー営業という、新たなフィールドにチャレンジ。

転職していかがですか?

私の所属するHVチームは5名。年齢的に私はチーム長の次になります。メンバーは年下ばかりで、年上の私が新人として入って来ると皆やりにくさを感じるのではないかと思っていたのですが、そんな雰囲気はなかったですね。

質問すると丁寧に教えてくれますし、聞きづらくて困ることはありません。製品知識はもちろん、営業方法も後輩に教わることが多かったです。

また、私が前職で積み上げてきた13年のキャリアに対して、きちんとリスペクトしてくれます。本当にいいメンバーだと実感します。

転職して良かったと思うことは?

商社とメーカーでは、やはり営業スタイルが違います。新しく学べることがたくさんあり、刺激的ですね。メーカー営業をやってみたいと選んだ会社ですが、その醍醐味を十分味わえています。

また、前職と共通する部分も多々あります。お客さまの要望に耳を傾け、その要望に合った提案を行う。交渉を進めることで一致点を見出す、という営業としてのベースは変わりません。その点では、前職の経験が十分に活かせています。

困っていることや課題はありますか?

業界知識がまだまだ足りないことですね。製品に対する知識も薄いし、原価に対する感覚も浅い。これは現場を経験することでしか身につかないので、貪欲にやっていきたいと思います。

自分の年齢や社会人キャリアを考えると、いずれはマネジメントに関わりたいと考えています。この点についても意識を高く持ち、準備をしていきたいですね。

生活面での変化はありましたか?

現在は実家近くにマンションを借り、妻と子と3人で暮らしています。生活面で変わったのは、やはり子どもと触れ合う時間が増えたことでしょうか。

残業も減って休日出勤もなくなったので、家族との時間が増えてワークライフバランスの改善を実感しています。

休日はショッピングモールに買い物に行ったり、近くの公園や動物園に子どもを連れて行ったりしています。まだ小さいので遠出は難しいですが、子どもはあちこち走り回っていますよ。

関西出身の妻は岐阜に来ることについて最初は不安を感じていましたが、最近はだいぶ慣れてきたようです。

実家には月1回以上帰っていますが、父も母も孫の顔を見るのがとても嬉しいようです。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

転職するにあたっては、「何を大事にしたいか」をしっかり考える、それに尽きます。私も30代半ばになり、これからの人生で何を大事にしたいのか、自分自身と向き合いました。

私の場合はそれが「家族」だったので、「Uターンして、頻繁な転勤のない会社で落ち着いて子育てする」という目標にたどり着けました。

自分なりのぶれない軸を見つければ、給料や会社の規模といった表面的な条件に惑わされなくなり、転職活動がうまくいくと思います。

もちろん、給料の良さを第一の軸とする方もいるでしょう。自分の大事にしたいこと、自分の軸を見つけるのが重要です。

転職コンサルタントのサポートは大変頼りになりました。初めての転職活動では不安やわからないことが多いので、自分に寄り添ってくれるコンサルタントがいると非常に心強いですよ。

担当コンサルタントから

コンサルタント 
坂 年規

上田さんは転職活動の節々における自己内省が素晴らしく、活動の後半になるほど「自分は一体何を大事にしたいのか」がハッキリ言語化されていました。

今回の記事を通じ、上田さんがUターン転職によって何を得られたのか、なぜそのようにご決断されたのかに注目していただきたいと思います。

仕事やご家族について嬉しそうに話される姿は私にとっても本当に嬉しい瞬間でした。

また、太平洋精工社にて採用に関わった方々のご尽力、採用への熱量が上田さんのご決断を後押ししたことは言うまでもありません。

上田さんの転職をご支援できたことは私にとっても大きな自信につながりました。

関連情報

求人情報

転職成功者インタビュー一覧

ページトップへ戻る